自転車に乗っていると「カーナビのように目的地までナビしてほしい」と思うときがありますよね。今回は、自転車のナビについて、実際に試して分かったおすすめの方法をご紹介します。
自転車でナビをしたい
自転車で、目的地までのナビをするにはどんな方法が取れるでしょうか。パッと思いつく選択肢を挙げてみます。
- Googleマップを使う
- ナビつきサイクルコンピューターを使う
- 自転車NAVITIMEを使う
1. Googleマップを使う
Googleマップは、私も最初のうちはよく使っていました。自転車のハンドルポストにスマホホルダーでスマホを取り付け、Googleマップでルート検索をして、信号待ちなどで立ち止まったときにちょいちょい確認します(走行中にスマホを見ては絶対にいけません!)。
無料ですし、ルートの途中にあるスポットなどを確認できてよいのですが、私は道があまり覚えられないために頻繁にスマホを見るのが煩わしかったです。
とくに私は、iPhone 13 miniを使っているのですが、顔認証が通りにくかったり、スマホホルダーで画面が一部隠れ、パスコードが入力しづらかったりするのも地味にストレスでした。また、地図の画面を常時表示しておくには、電池の持ちが気になります。
その後なぜか、自転車で段差を通ってスマホに振動が伝わるたびに謎の電話番号に電話を掛けてしまうという不可解な現象が起こってしまいました……(あのとき電話が掛かってしまった方、本当にごめんなさい)。アップデートしたからか現在はその現象は起こっていないのですが、「スマホをハンドルポストに取り付けて視覚的に確認するナビはもうやめよう」と思うに至りました。
2. ナビつきサイクルコンピューターを使う
自転車の速度や走行距離などを表示してくれる専用デバイス「サイクルコンピュータ」(略してサイコン)。私はケイデンスを取りたいがために、CAT EYEのサイコンを購入しました。
サイコンの中には、GPS機能があり、ナビをしてくれたり地図表示をしてくれるものがあります。
以下の記事によると、GPSサイコンのなかでも、地図表示ができない(ナビのみしてくれる)エントリーモデルは2万円前後、地図表示ができるものは5万円前後から、といった価格帯になります。
GPSサイコンのエントリーモデルの例
地図表示ができるGPSサイコンの例
地図表示ができるサイコンとなると、そもそも私の乗っている自転車と同じくらいの価格帯になってしまうということで、選択肢から外しました。
3. 自転車NAVITIMEを使う
3番目の選択肢は「自転車NAVITIME」。これは、乗換案内などのナビゲーションサービス「NAVITIME」の、自転車に特化したモバイルアプリで、iOS、Android、HUAWEIのOSで提供されています。
今回は、この「自転車NAVITIME」を活用します。
自転車NAVITIMEとは
公式サイトによると、次のように説明されています。
サイクリングのためのアプリケーションです。自転車に特化した機能で、サイクリングをより快適にします。
touring.products.navitime.co.jp
自転車NAVITIMEが提供している主な機能は以下のとおりです。
- 目的別の7通りのルート検索
- 自転車に特化したナビゲーション
- 走行ログの保存
- サイクルコンピュータ機能
- Webサイクリングコースとの連動
無料でも使えますが機能に制限があり、月額300円(HUAWEIは月額330円)の「プレミアム」会員になるとナビ機能を存分に使いこなすことができます。さらに月額600円の「プレミアムプラス」(iOS、Androidのみ)の会員になると、自作したサイクリングコースを保存・表示したり、ナビをしたりできます。
私は、サイクリングコースを作成する機能は使ったことがないのですが、ルート検索と音声ナビだけでも十分課金する価値があると思いました。
それぞれの機能について概要と所感を説明します。
ルート検索機能
ルート検索機能では、以下の7種類のルートを検索することができます。しかし、無料版だと機能に制限があり、1の推奨ルートしか検索できません。
- 推奨ルート
- 距離が短い
- 坂道が少ない
- 坂道が多い
- 大通り優先
- 裏通り優先
- サイクリングロード優先
これらの7種類の検索は細かいニーズに応えてくれます。例えば私は、坂道が苦手なので「坂道が少ない」ルートや、あまり複雑な経路になるのが嫌なので「大通り優先」ルートをよく選んでいました。
人によっては、坂道でトレーニングしたいから「坂道が多い」ルート、車が多い通りを走りたくないから「裏通り優先」ルートを選ぶ人もいるでしょう。それぞれサイクリストの細かな需要に応えたルート検索方法だといえます。
音声ナビ
音声ナビ機能は、無料版では月に1回のみ使用できますが、課金すると無制限に利用することができます。
多くの自治体で、自転車走行時におけるイヤホン使用が禁止されていることから、自転車に乗りながら音声をどうやって聞こう……と思っていたところ、「ネックスピーカー」のようなスピーカーから音を出すものであれば問題ないのではと考えました。
そこで、いくつか比較検討して購入したのが、アイリスオーヤマのネックスピーカーです。
価格、軽量さ、防水など総合的に考慮し、比較的安価なこちらの商品を買ったのですが、とても使いやすくておすすめです。
気になるところとしては、電源を入れるたびに「電源が入りました。バッテリーの量は十分です。接続しました」と大きな声で喋ってくれるので、この声がもっと小さな声ならよかったなと思います。が、そのくらいです。
ちなみに、もともとイヤホンが禁止されている背景としては、イヤホンをすることで、安全な運転に必要な交通に関する音や声が聞き取りにくくなってしまうことにあります。ネックスピーカーで耳を塞いでいないからといって、音量が大きすぎると安全運転に支障をきたしてしまいかねないので、くれぐれもご注意ください。また、ネックスピーカーの仕様時には、最新の交通規則をご確認ください。
そうしてようやく音声ナビ機能を使ってみたのですが、初めて使ったときはカーナビのようなUXに感動しました!
これまでは、道が分からなくなったときには、走行中に道の端に立ち止まってスマホをゴソゴソ出してルートを確認していたのが、ほとんどなくなってだいぶ楽になりました。
ちょうど音声が流れているときに脇を車が通ると聞き取れないこともあるのですが、曲がるときの案内は、500m、300m、100m前、曲がる直前の計4回してくれるのでだいたい聞き漏らさないです。さらに、曲がる箇所は、具体的なコンビニ名や駐車場名などを目印として提示してくれることもあるので、わかりやすいです。
走行ログの保存
走行ログの保存機能は課金ユーザーのみの機能です。どうやら課金を辞めるとログが消えてしまうそうなのですが、これについては、課金を一度やめたとしても、せめてその後課金ユーザーになったときに過去のログが復活しているといいなと思いました。この仕様だと、そもそもメインのログをナビタイムに残しておくのは嫌かなぁと思います。
私は、XiaomiのスマートバンドやCATEYEのサイクルコンピューターやセンサーを持っていて、そこでも走行ログは取れるので、アクティビティの記録目的にするなら、ランニングコストの安い別のアプリでもよいかなと思います。まぁ無いと寂しい機能ではありますが。
サイクルコンピュータ機能
速度や距離、時間などを計測するサイクルコンピューターのような表示ができる機能があります。私は、走行中はスマホをしまって音声ナビ機能をつかっていた、かつ別にサイクルコンピューターを持っていたので特に使いませんでした。
ですが、サイクルコンピューターを持っていなくて、スマホを自転車にマウントして地図を適宜見ながら走行する場合には、ワンタップで地図画面とサイクルコンピューター画面を切り替えられるそうなので、便利かもしれません。
Webサイクリングコースとの連動
「プレミアムプラス」の会員になると使える機能だそうで、特に使ったことはないのですが、長距離のサイクリング計画を立てているときには便利な機能になりそうです。
Googleマップとの違いは?
Googleマップでも、自転車用のルート検索はあるのですが、ナビタイム(課金)が7種類検索できるのに比べて、1種類しかできません。近場ならGoogleマップで十分なのですが、10km前後を越えてくると自転車ナビタイムのほうが好みにあったルートを選択できるので体験がよいかなと思います。
また、Googleマップでも無料で音声ナビは使えるのですが、私が使ったときには正しいルートを走っているはずなのに「ルートから外れました」とばかり言われて、心が折れてしまいました。たまたまかもしれませんが、音声案内の心地よさを求めるならナビタイムに軍配が上がると思います。
とはいえ、ルート検索がGoogleマップで十分だなという方は、まずはGoogleマップを試してみてからでよさそうです。
自転車でナビするなら
今回は、自転車NAVITIMEについて紹介しました。ネックスピーカーを導入して音声ナビを使ってみると、自転車でカーナビを使っているような気分になります。音声だけの導きで、一度も迷わずに目的地にたどり着けるとなかなかに感動します。以下にiOS版とAndroid版のリンクを貼っているので、ぜひ試してみてください!